【精神科訪問看護】こんな人が向いている6か条

精神科の訪問看護は医療行為がほぼなく、過去の経験もそこまで必要とされていないので、門戸が広く入りやすい領域です。

しかし、入社後すぐに合わないと感じる人も一定数います。今回は、私が精神科の訪問看護を通して感じた【向いている人】をお伝えします。

感情的にならない人

利用者さんは皆さん精神疾患を持っています。例えば・・・

①看護師の話が入りにくい利用者Aさん。

うめちゃん
うめちゃん

お薬飲み忘れがありましたね。寝る前のお薬なくても寝れましたか?

利用者Aさん
利用者Aさん

うん、うん。それでね、あのね、○○が〇〇でね、でね!でね!

うめちゃん
うめちゃん

も〜、人の話全然聞かへんなあ。話が進まない

②不安が強くて、ずっと同じ内容の不安を繰り返し訴える利用者Bさん

利用者Bさん
利用者Bさん

はあ、私は天涯孤独です。

お風呂に入って倒れたらどうしよう。助けてくれる人はいないし、誰にも発見されなかったら。そう思ったらお風呂に入れません・・・。

うめちゃん
うめちゃん

また先週と同じこと言ってる。どう言っても、全部否定的に返される。しんどいわ。

また・・・利用者から突然暴言を吐かれる事もあり。

コミュニケーションがスムーズにいかないとイライラは募ります

どんなにイライラする場面でも、表情、口調に表さない事が大切

看護師の言動で利用者さんの精神面は大きく左右されます

少しの変化に気づける

ねこさま
ねこさま

看護師さんって観察力鋭いから気づくでしょう

うめちゃん
うめちゃん

しんどいことを率直に言ってくれる人もいるけど、「大丈夫です」と自分の本当の気持ちを隠し、なかなか言ってくれない人も沢山います

まずは、普段の様子を観察する事が大切。表情、話し方、睡眠、食事、内服、生活 etc を雑談を通して把握します。

変化が何か分からなくても、「ん?なんだかいつもと違う」と感じる、その第六感は大切!

柔らかい言葉遣いができる

精神疾患を持っている方は、感情を上手くコントロールできなかったり、人と接することが苦手な方が多いです。

柔らかい空気を作り出し、コミュニケーションを円滑にしていく事は大切な事だと思います。

例えば・・・

傾聴のスキルとして「オウム返し」がよく使われます。相手の言ったことをそのまま返す。その事により、しっかり聞いていますよ、理解していますよというサインを送ります。

利用者 Aさん
利用者 Aさん

仕事もう行きたくない!職場の〇〇さんが嫌やねん!

                            回答A

訪問看護師
訪問看護師

職場の〇〇さんが嫌で、お仕事に行きたくないんですね

                             回答B

訪問看護師
訪問看護師

職場の〇〇さんが苦手で、お仕事に行きたくない気持ちになっているんですね

回答Aの様にきつい言葉をそのまま繰り返していると、徐々に相手の感情も高まってきます。

普段の会話から『柔らかい言葉を選定する』事で自然とできるようになります。物腰の柔らかい人が利用者に受け入れられやすい

客観的視点から物事を見れる人

ねこさま
ねこさま

訪問看護師さんって優しい人が多い感じがするにゃ

うめちゃん
うめちゃん

そうだね。不幸な生い立ちや孤独な生活を送っている利用者さんも多いので、つい感情移入しちゃうこともあるんだ

感情移入する事で、利用者さんは味方がいると安心感が生まれますが、看護師自身がその感情に引っ張られてしんどくなる可能性があります

看護師はあくまで伴走者。利用者が外れた道を走らないように、客観的に利用者を見つめていきましょう

連絡マメな人

訪問看護は、利用者宅を訪問するだけではありません。

訪問看護師は主治医、ケアマネ、相談員、ヘルパー、家族、施設  等と連携をしながら利用者を支えています。

うめちゃん
うめちゃん

利用者さん、なんかいつもと違ったな。あ、この後ヘルパーさんが訪問するな…。

一応耳に入れておこうかな

普段から関係機関や家族とこまめに連絡を取っておくことで、相手からも情報を頂けることが多く、結果、自分も働きやすくなります。

訪問看護は1人で訪問していますが、チームで利用者を支えています。

最初はどの様なタイミングで誰に連携するか分からないかと思いますので、変化があれば、すぐにステーションの同僚、上司に伝えましょう。

聴く力がある

病院では、看護師が患者に指導したり、話しかける場面が多いかと思います。

訪問看護では、病院と同じスタンスで行くと、関係性構築が困難になる時があります

ねこさま
ねこさま

話し上手な人が向いてそうなのに

うめちゃん
うめちゃん

どちらかというと反対。利用者さんは喋りたい人が多いかな。相手が話しやすいようにもっていくのも訪問看護師のスキルだね

質問しすぎると、アンケートの様になるので注意。利用者さんは話したい内容にひっかかると自分からよく話してくれます。

利用者の話9割、自分の話1割くらいで考えましょう。色々言いたいことはあるかもしれないけれども、グッとこらえて、相手の話をしっかり聴ける人は精神科訪問看護に向いていると言えます

おわりに

ほとんどの看護師は患者に、自分らしい生活を送って欲しいと願っているかと思います。

でも、訪問看護の世界に入ってきたら、いつも立ち止まってください。

その想いは誰の想い?利用者さんの想い?看護師の想い?

利用者に良かれと考えて、ついつい自分の考えを押し付けてしまいがちです。でも、どんな考えも、行動も、利用者が決めた人生なら、そこを支えていくのが訪問看護師の役目です。

誰の人生でもない、利用者さんの人生。

訪問看護師は、近くにいる良き理解者であり相談者なのです

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