
医療処置がほぼなく、訪問のメインは会話となります。

お話だけってめっちゃ楽やん!

って思うやろ?
相手は精神疾患を患ってるから、一言一言発する言葉に気をつけないと、相手は思わぬ意図で汲み取ることもあるからね。めっちゃ頭使うねんで〜
精神科訪問看護とは
統合失調症、うつ病、双極性障害、強迫性障害、アルコール依存症、パーソナリティ障害、不安神経症、発達障害等 を患い、精神科や心療内科に通院している方へ主治医の指示により訪問を行います。
精神疾患を患いながらも、地域で生活できるよう、自立を支援する看護を行います。

一般の訪問看護と違うのは、病気そのものを治そうとするんじゃないの。
利用者さんが、地域で自分らしく生活できるように支援する役割があるの
訪問では実際何をしているの?
あくまで利用者さんが自分でできるように整えるのが、看護師の役割
バイタルサイン測定、精神状態の確認

身体の疾患を持っている方も多くおられます。
身体面でのアセスメントも必要となります。
表情、言動、行動から精神状態もアセスメントしていきます
内服管理

精神科の患者さんにとって、内服管理はとても重要!内服を忘れる事で精神状態の悪化や再発する場合があります。
精神科訪問看護では、看護師だけが内服を管理するのではなく、「利用者が内服への理解を深め、自己で管理できるよう」支援していく看護を行います。
精神面での支援

利用者さんがどの様な時に調子が悪くなるのか気づきをを高め、自分らしく過ごすための「WRAP(元気行動回復プラン)」や思考や認知に焦点を当てる「認知行動療法」なども使い、傾聴を主体に話をしていきます。
生活面での支援

家に閉じこもっている利用者さんも多くおられます。
デイケアへの通所を促したり、一緒に散歩をしたり、生活リズムを整え、少しでも、外へ出ることができるよう支援します。
また、楽しいと感じてもらうため、ゲームを一緒にしたり、折り紙で制作をしたり、塗り絵をする時もあります。
訪問以外の時間は自由時間?

訪問以外の時間って結構あるやんね?暇そうやね

はあ!?め〜っちゃ忙しいねんで!
①訪問記録
②利用者さんの病状変化や報告事項がある際、ケアマネ、相談員、医師に報告
③月末近くなると関係機関への看護計画と報告書作成。ステーションによりますが、15〜18人分
④利用者が入院する場合、看護サマリー作成と入院先の病院へFAXや郵送で送付
これらを移動の合間に行います。
報告書は時間内に終わらなければ自宅に持ち帰り、休日にすることも多かったです。
精神科訪問看護のいいところ、大変なところ

私なりの視点で精神科訪問看護の良し悪しをお伝えします。
- 利用者さんは関わりが難しい方も多いが、根は純粋な人が多い
- 医療処置がほぼない
- 病気が治癒する事は少ないが、少しずつ社会と繋がる様子が見えるとやりがいを感じる
・ゴミ屋敷や虫がいて、不衛生なお宅がある。家の中に飼い犬や猫の糞尿、毛が落ちていることも・・。犬におしっこされた事もあります
・男性の家に女性が訪問する事もある。セクハラ言動も多々ある
・コミュニケーションが難しい。看護師の言動を歪んで捉えて、逆ギレする事もあるため、一言一言に注意を払う必要がある。
まとめ
精神疾患を患う利用者さん達は、周囲の人に理解されにくく、生きづらさを感じています。人に言えない想いや悩みを抱えておられる方が殆どです。
その様な方たちの苦しみに寄り添い、地域での生活を継続できるように、伴走者の役割を担うのが精神科の訪問看護師です。
正直、不衛生な家も多いです。潔癖症の方には辛い現場となることもあるでしょう。利用者がコミュニケーションがが上手くできない為に、あなたに酷い言葉を投げかけることもあるでしょう。
でも、自分の応援した利用者が前を向いて歩き、訪問看護から卒業する姿を見るのは本当に嬉しいものです。