

精神科の訪問看護って怖そうっていうイメージがあって、躊躇してる人もいるやろね

そのイメージは当たっている部分もあるんだよね
精神状態が悪化している利用者や、異性の利用者宅を訪問する際に注意が必要です。
また、ちょっとした支援者の言動で気分の変調が見られる時もあるので、常に観察をしながらの会話が求められます。しかし、対策を取ることで安全に訪問をすることが可能です。
利用者とは腕一本分の距離をとる

相手から親近感を覚えてもらうほど、距離が近くなることがあります。
一定の距離を保ち、安全な場所に身を置きましょう
利用者からの身体的接触を避けるため、全ての利用者とは腕一本分の距離を取ることが大切
自分のプロフィールを詳細に話さない

共通点があると仲良くなれてええやん?
確かに、自己開示をし、共通点を見つけることで利用者は親近感を覚え、信頼関係構築のきっかけとなるでしょう。しかし、親近感を超えて、「友達」や「恋人」になれるのでは?と妄想を抱く人もいます。
また、親近感を覚える事で、看護師に依存をしてしまうケースもあります。自分が休んでしまった時、他のスタッフが訪問できなくなると困りますよね。
訪問でよく聞かれる3つの質問
住んでいる所

どこに住んでるんですか?近所だったら一緒にご飯とか行けるかな
大体の○○市です。と回答するのが良い。詳細な○○学校の近くや、○○スーパーの近くなどと言ってしまうと、待ち伏せされる可能性もあります。
○○市と答えても、「○○市のどのへん?」と聞かれることがあります。北の方ですなど、更にアバウトに答えると、それ以上聞いてくることはないです。
既婚、未婚?

結婚してるんですか?優しくしてくれるし、ひょっとしたら僕に気があるんじゃない?
異性の利用者が聞いてくる時は要注意。精神疾患を患っている利用者さんは、他者とのコミュニケーションが苦手な方が多いんです。そこで、優しくしてくれる異性の支援者が訪問をすると、「恋人になれるのでは」という恋愛妄想を抱くことがあります。
「私の話なんて…。Bさんのお話が聴きたいです」と相手の話題にすり替えるように持っていきましょう
子どもの有無

子どもはいるんですか?私は子どもがいないんだから…いてほしくないな
お子さんのいる利用者であれば、子育ての相談もできるので、自己開示はありだと思います。が、注意するのは、「独身の利用者」「結婚はしているが子どもがいない利用者」です。
聞いてきて、勝手に苛立つ人も見られます。劣等感を感じる様です。
自分の話はぼんやりと。話題の中心は相手にもっていくようにするとトラブルは起こりにくいです
玄関の鍵は開けたままにしておく

訪問中、危険を感じた場合、すぐにその場を立ち去る必要があります。
慌てていると普段簡単にできることが出来なくなってしまいます。逃げる想定をした環境を整えておきましょう。
助けを呼べるグッズを用意しておく
私は一度も使用するような場面に遭遇した事はありませんが、人は恐怖を感じた時、声が出ない可能性もあります。
防犯ブザーを用意しておくのも安心材料の一つかと思います
複数名での訪問も考慮する
安全のため
2人で訪問する事により、力では敵わないため、危険の回避になります
アセスメントのため
1人での訪問では主観的な意見となってしまいます。様々な視点から会話を観察する事で、そもそも複数名訪問が必要なのかアセスメントをします。
✓ 利用者の発言、言動はハラスメントに当たるか
✓1人での訪問は安全か
✓1人で安全に訪問する為の対策
おわりに
精神科の訪問看護は一般の訪問看護に比べ、ハラスメントに遭うリスクは高まると思います。
しかし、事前に対策を取り、正しい方法で訪問をする事により危険は少なくなります。少しでもおかしいなと感じる時は、同僚や上司に必ず相談をしましょう。